ウッドリム

バンジョーのポット部分は、右図のようになっています。この中でウッドリムのみが木製です。

ウッドリムは何枚か木の板を丸く曲げ貼り付けて成形したものが多いです。貼りつけた木の枚数が3枚だと3プライ、5枚だと5プライといいます。1970年台に作られた日本製のbanjoは13枚の板を張り付けているものが多かったです。1979年にTokaiからプレウォー・ギブソンのコピーとして売りだされたT1200Rは今でも銘器という評判ですが、このbanjoに採用されたのは3プライです。1960年頃から本家のgibsonは3プライのウッドリムを採用していませんから、当時としては、このT1200Rは画期的なbanjoだったと言えるでしょう。

現在売りだされているbanjoで手頃な価格で販売されている、レコーディング・キングやゴールドスターは3プライリムを採用しています。3プライリムのビルダーとしてはcoxが高い評価を受けており、ソニー・オズボーンのChief banjoはこのリムを採用しています。

 

他にも、First QualityのOld Growth Factory Floor Wood Rim、JANET DAVIS ACOUSTIC MUSICが扱っている'OLD GROWTH' HISTORIC MAPLE RIM、HuberBanjoのEngineered Rim、American Made BanjoのDannick Rim、Greg Boyd'sが扱っているPrucha 3-Ply Maple Rimなどが有名です。これらの3プライリムは、プレウォー・ギブソンの音を再現するというのが謳い文句です。プレウォー・ギブソンに使用された3プライリムは1925年以降のものなのですが、プレウォー・ギブソンのなかでも評価の高い1930年台のマスタートーンに使用された3プライリムは滅多に手に入らないことから考えると、これらのリムを選択する価値はあるかもしれません。

 

tonypass.gif (16070 バイト)これら3プライリムに対して、ブロックリムというものがあります。ステリング社が採用したことで一躍有名になったTony Passが代表でしょう。このリムはTimeless Timberを使用しています。他にもThinSkirt Rimsというアイデアなど色々と工夫の見られるリムです。

 

これらのウッドリムは上に載せるトーンリング、周りにはめるフランジの形状にあわせて削らなければなりませんし、ネックボルトを通す穴も開けなければなりません。また、塗装も必要です。そうした事からウッドリムの場合、購入したら装着してすぐ音の変化を楽しむというわけにはいきません。木工道具を駆使して自分のbanjoに合わせて加工するということもできないわけではないでしょうが、通常はビルダーに依頼してセットアップするというのが無難です。場合によっては装着するbanjoを送って組み上げてもらうということもあります。当然有料です。
その一方で、すでに使われていたウッドリムがオークションなどに出てくることがあります。フランジもトーンリングも大方の規格に合っているものが多いので、どんなトーンリングを載せていたのかやフランジの形状である程度の予想はつきます。ウッドリムだけが出てくるというのは滅多にない事なので、もし、ウッドリムによる音の変化を気軽に楽しむというのであれば、それらを購入するというのもひとつの方法といえるでしょう。

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